2005年11月23日

ALSの症状

片側の手指の細かな運動の障害が初発症状となることが多く、その後、手の筋力低下や筋萎縮が認められるようになります。手の筋萎縮は母指球(親指の付け根の筋肉でもりあがったように見える部分)や小指球(小指の付け根の筋肉)に始まることが多く、上腕筋や肩関節周囲の筋肉の萎縮は遅れて出現します。手の甲の骨間筋の萎縮も初期に生じ、あたかも骸骨の手のような印象をあたえます。

 筋萎縮とともに線維束性れん縮(筋肉がピクピクと自然にれん縮する現象)が出現するようになります。数週あるいは数カ月後に反対側の上肢(手)にも同様の症状が現れます。その後、筋力低下や筋萎縮は下肢(足)にも広がります。脳神経領域も障害され、言語障害や嚥下困難も出現します。舌の筋萎縮と線維束性れん縮は特徴的です。さらには呼吸筋も障害され、呼吸困難のため人工呼吸器が必要となります。

 ALSでは運動系のみ選択的に障害され、知覚障害は全く出現しません。これが診断上非常に重要になります。知覚障害を認めれば、ALSの診断はつけられません。ALSでは直腸や膀胱の機能がよく保たれる点も特徴的です。また眼球運動を支配する外眼筋も障害されにくく、褥瘡の発生がまれであるといった特徴もあります。

 以上が典型的な発症様式です。しかしALSの発症には様々な例外があります。下肢から症状が始まる例や、手より先に体幹に近い筋肉が萎縮することもあります。横隔膜の筋力低下により、早期に呼吸不全を呈する症例も存在します。また片側の手足のみの障害で片麻痺類似の症状が認められた例も報告されています。

 今まで手術を受けた日本人患者さんは7人のうち、症状が手足から始まったのは4人で、喉から(球麻痺)のは3人でした。

Posted by lss at 2005年11月23日 07:16
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