2005年11月28日

心のケア(ご家族)

25日にも述べた様に、ALSは患者さん本人自身だけでなく、ご家族にも多大な影響を及ぼします。

患者さんの将来の経過について、医師の説明及び自身で調べた情報から予測し、患者さんはもちろん、ご家族ご自身の未来についてにも不安が生じます。また、患者さんの病状に緩やかながら身体的悪化が起こり、予測が的中する時、それがまた大きな不安となって脅かします。

また、これまではコミュニケーションによって日常生活の様々な内容を共有してきた患者さんとご家族の間で、次第にコミュニケーションの維持が難しい事を実感し、率直な思いや素直に気持ちを表現する相手を失い、孤立したような状態になります。また、介護に追われる日々は、様々な活動の参加や外出、家族の他のメンバーや他者との触れ合いをも減少させてしまいます。この孤独感は我慢しようという思いが強ければ強いほど孤立感を味わいます。

このような心理的状況下において、主に3種類の感情が生じ、ご家族の心、また患者さんの心を苦しめます。

1つ目は、無力感です。ALSは今のところ根治治療が出来ません。為す術なく、予測通りに病状が悪化するのを目にし、自分が役に立っているという自覚をなくし、鬱的な心をも生じさせます。
2つ目は過剰な責任感です。自分が役に立たないと罪悪感を感じたり、自分が怠けたり、休みたいと思った際に、罪の意識に苛まれ、自分を責めてしまいます。時には、体力の限界を超す介護をする引き金ともなります。
3つ目は、怒りです。自分が背負うこととなった宿命に対し、誰にも向けようのない感情がこみ上げてきます。

ご家族にとって、これら感情を処理するために大切なことは、自分を許してあげることです。
自らに正しく在ることを強要せず、それら自分の中に起こる考えや感情を素直に受け止め、自分を許してあげましょう。患者さんのわがままや世話に不満や怒りを感じるとしても、それは自然な事で恥じることも責める必要もありません。要介護状態にある方のケアはプロでも大変なのです。

ただ、患者さん本人にぶつけてしまうと罪悪感に感じてしまうかも知れません。そしてそれは、いつしかご自分に対する怒りに変わります。それではストレスが溜めるばかりでよい方向には進みません。だからそれら感情を解放してあげて下さい。
勿論、その感情を実際に言葉に発してみると効果的です。カラオケでもいいですし、カウンセリング等でじっくり自分の話を聞いてもらうのもいいでしょう。どうしても時間が取れない場合は、ただそのときの感情やありのままの思い、今日一日の感想をノートに書き付けるだけでもずいぶん違うはずです。その時、字がページからはみ出ても、どんなに汚くなってもどんなに汚い言葉を使っても構いません。少しでもその日の心の苦しみをその日のうちに処理できるように気を配りましょう。

また、目標を小さく持ち、沢山の事をご自分に、また患者さんに要求しないようにしましょう。日常の叶う可能性のある小さなことに取り組むとよいかも知れません。

人との繋がりも大切です。社会的サービスもどんどん利用しましょう。

Posted by xiahoo at 2005年11月28日 09:57
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