今日の昼頃血液型B型のドナーが見つかった情報が入りました。適合性は合うかどうかはまだ分からないのですが、取りあえず、Aさんに伝えました。「もしかして、明日移植手術をするのですか?」とAさんはちょっと動揺されているようです。「何をおしゃっているのですか、移植するために、はるばる日本からこちらにおいでになったんじゃないのですか」と言ったら、「それはそうだけど、でも気持ちは複雑ですよ、期待もあるし、不安もあるんですよ。」確かにそうですね、Aさんは外形から見るととても元気で病人とは思えないくらい健康に見えるのですが、元気な内に移植をされるのは体力的な面から見ると非常に良いのですが、でもいざとなると、やはり不安がでてしまいますね!
取りあえず、透析センターへお連れして、透析を行いました。実はAさんはこちらで透析するために、日本から透析用のダイアライザーやチュープ、針を十セットもお持になられました。透析前に、その件について婦長に説明すると、婦長は「わざわざ日本から10セットもお持ちになってこられたんですか?大変重たいのに」とびっくりしたようです。実は今中国で使っている透析器具は日本と同じメーカの物で、ダイアライザーやチュープ、針類などは全て使い捨てなのです。今回Aさんのお持ちになってこられたメーカーは同じものなのですが、サイズが違っているので、最終的にこちらのものを使う事にしました。
透析中、私は側に付き添い、手術後のことを簡単に説明しました。今まで忙しい毎日で急に集中治療室で三週間もの間一人で療養となると寂しくなるでしょうね!とお話しましたら、「携帯の使用さえ許してくれるなら、大丈夫ですよ、いろんな所に電話を掛けて、寂しさを紛らわしますし、また看護婦さんの手相でも診てあげるから」と冗談交じりに言ってくださいました。
「術後しばらくの間は静養がとても大切ですので、長時間話してはいけませんよ、今回は是非我慢して頂いて、先生と看護婦さんたちと仲良くしてくださいね、Aさんの日々の情報を日記に書いてホームページに載せますので、皆さんが見ているから、ワンマンにしてはいけませんよ」と言ったら、「はい、分かりました」とすごく素直に同意されました。
五時四十分ごろ、透析を終えて、病室へ戻ってきました。Aさんは早速日本の会社に電話をして、明日手術の事を社員の皆さんに伝えられたところ、「良かったですね、おめでどうございます」と言われて、Aさんはどういうふうに返答したらいいか分からないような表情でした。社員の皆さんにとって、社長さんは速く手術をして、早く回復し、そして早く帰国できることが何よりもありがたいことですね。
明日の手術を控え、今夜は軽い食事をとっていただきました。甲子園(日本料理店)から雑炊と野菜サラダを届けてもらいました。Aさんは神戸出身の方なので、甲子園とは馴染みがあり、とても美味しく召し上がっていただくことができました。
夜の八時半から術前の浣腸を2度行ない、普通は病室に滞在しなくてはいけないのですが、Aさんの気持ちが少しでも和むようにホテルへお帰り頂きました。今夜はご家族に囲まれて良く眠れますように。